麻・リネンを洗濯すると縮む? クリーニング? それとも自宅で洗う? 判断基準は

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麻・リネン タイトル画像

麻・リネンは洗濯すると縮みやすい素材です。

せっかくの麻のお洋服、縮んでしまって取り返しがつかなるのは避けたいですよね。

この記事ではそうした失敗をしなくても済むよう、麻・リネンの特徴と取り扱いについてご紹介していきます。

結論からいえば、

  • 仕事着や外出着以上の大切なお洋服はクリーニング
  • 普段着は自宅でお手入れ

というのがオススメの方法です。

杏奈

洗濯&アイロンが大好きな元アパレル店員の私が、麻・リネン取り扱いのコツをお伝えしていきます!

目次

麻・リネンの特徴

リネン(麻)のビンテージ レース 刺繍

ヨーロッパには古くからリネンが流通し、発展してきた歴史があり、テーブルクロスやランチョンマット、ベッドシーツなど、家庭の中で用いる大切な織物として重宝されてきました。

一方で、麻袋など、保管や運搬用に用いられる粗くて丈夫なイメージも。

麻には多くの種類があり、その中で衣服に使われるのは、亜麻(あま・リネン)と苧麻(ちょま・ラミー)の2種類だけです。

衣服で使用される麻の特徴としては次のようなものがあげられます。

  • 通気性・吸湿性に優れ、夏は涼しく着ることができる
  • 丈夫で生地に独特のハリとツヤがある
  • シワになりやすい
  • 水に濡れると縮みやすい
  • 染色しにくい・色落ちしやすい

素朴で風情のある織物で独特の風合いがあり、お洗濯を重ねるほど柔らかく風合いが出てくるのも魅力です。

その一方、水に濡れると縮みやすく、独特のハリ感でアイロンがかかりにくい性質があり、扱いが難しい素材でもあります。

クリーニングに出すか自宅で洗濯か? 判断のポイント

さて、この記事のテーマ「麻・リネンを自宅で洗濯するのか、それともクリーニングに出すのか?」

ということですが。

麻に限らず、ウール、カシミヤなども含めて天然素材の服を初めて洗濯する時は、

「縮んだらどうしよう?」

と不安になりますよね。

実際、麻は素材の特性上 5~10%程度縮むことがあると言われています。

失敗談では、長い衣類ですと10センチ近く縮んだというお話もよく耳にするところ。

1度縮んでしまうと完全に元に戻すのはなかなか難しいので、大きく縮ませるのは何としても避けたいですよね。

この記事では

  • 自宅で洗濯でしてもいい?
  • それともクリーニングに出した方がいい?

の判断をしやすくするために、ルールを明確にしたいと思います。

家庭洗濯NGの服はクリーニングへ

まず、服の洗濯表示を確認してみましょう。

「家庭洗濯NG」であれば、たとえ洗う気満々だったとしても自宅で洗うことができません。

その場合はクリーニングに出すようにしましょう。

杏奈

まずは自宅で洗濯できるマークがついているかどうかを確認してくださいね!

逆に、「洗濯機」「手洗い」マークのいずれかがついていれば、自宅で洗うことができます。

ただし、そのマークがついているからといって、何でもかんでも自宅洗いをするのはオススメしていません。

特に、大切なお洋服の場合は慎重に判断したいものです。

家庭洗濯可でも縮む可能性はある

麻素材の製品には、製造の過程で縮みにくい加工が行われているものと、そうでないものがあります。

洗濯可能な麻の場合は、製造時に水通しが行われ、縮みにくい加工がされていることがほとんど。

しかしながら、「家庭洗濯可」のお洋服であっても、麻の場合は絶対に縮まないという保証はありませんし、冒頭にお伝えしたように、残念ながら大幅に縮んでしまうこともあるようです。

ひろ

洗えるはずなのに、縮んじゃったりするってこと?

杏奈

そうなのよ。そうなると、洗っても大丈夫かどうかの判断が難しいわね。

つまり、表示に従って麻の服を自宅で洗ったとしても、下手をすれば縮んでしまう可能性は十分あるということ。

実際に、私も以前「手洗いO.K.」の服を洗った際に失敗したことがあります。

その時は麻ではなくウールでしたが、カーディガンを洗ったらワンサイズくらい小さくなってしまいました。

私は手洗い歴も長いのでコツを押さえて洗ったつもりでしたが・・・。

洗濯表示に従って自宅で洗ったのに縮んでしまうなんて、ちょっと不安になりますよね?

麻・リネンのお手入れ判断 超簡単チャート!

麻・リネンをはじめて洗う時には、その服が縮むかどうか、またどのくらい縮むのかをあらかじめ予測することができません。

「大切な麻のお洋服を縮ませたくない!」

という方は、下のチャートを活用してみてください。

仕事用や外出用の服をクリーニングに出した方がいい理由としては、以下のとおりです。

  • 外出用に使える麻素材の服は、高級であること。
  • 家で洗うより縮む可能性はぐっと低くなる
  • シワが出やすい麻・リネンは洗ったあとのアイロンが大変
  • 型崩れしやすいアイテムはクリーニングに出した方が安全
ひろ

ゆったりした作りのホームウェアやカジュアルなお洋服なら少しくらい縮んでも大丈夫かな?

杏奈

そうね~。洗った後のシワ感も味があるしね。でも、外出着の場合はアイロンも大変だから、クリーニングに出した方がずっと楽なのよ。

POINT!

  • 長く大切に着たい仕事着や外出着はクリーニングに出しましょう。
  • 自宅でのお手入れはホームウェア、カジュアルウェアなどの普段着を中心に。

これって、最終的に自己責任?

家で洗える服をクリーニングに出した方がいいもうひとつの理由の答えは、服についているタグを見ればわかります。

私の私物である麻100%の黒のニットスカートのタグです。

こちらの服には手洗い可のマークがあるにもかかわらず、次の注意書きが。

デリケートな素材を使用しているため、水洗い、またはドライクリーニングにより多少の縮み、歪みを生じる事があります。洗濯後は形を整えて干し、仕上げは丁寧にアイロンをかけてください。

(株)オンワード樫山

水洗いしてもクリーニングに出しても、縮みや歪みが出るかもしれないよ、と書いてあります。

どのくらい縮むのかは状況によって違いますが、プロであるクリーニング屋さんに出した方が縮む度合いが少ないのは明らか。

チャートに従って、私はこのスカートをクリーニングに出そうと思っています^^

後日、写真の麻のスカートをクリーニングに出しました!
縮むことなく綺麗な状態で返ってきました↓

麻・リネン 自宅での洗い方ポイント

洗い桶で服を手洗い

安全策を取るならクリーニングがおすすめですが、家庭洗いをしても心配のない麻の服の場合は、ぜひ自宅で洗ってみてください。

麻・リネンを洗濯する時のポイント

  • 30℃以下の水またはぬるま湯を使用
  • おしゃれ着洗いの洗剤(中性洗剤)を使う
  • 脱水はごく軽めにするか、脱水は行わない
  • 直射日光を避け、日陰に干す

手洗いする場合

大切にしているお洋服は優しく洗える手洗いの方がおすすめです。

①洗い桶に30℃以下の水またはぬるま湯を張り、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を入れます。

②麻のお洋服を洗い桶にゆっくりと沈め、20~30回ほど「押し洗い」をします。このとき強く押したり揉んだりしないようにしましょう。

③水やぬるま湯を入れ替え、同じ要領でやさしくすすぎを行います。洗剤が残るとシミや黄ばみの原因となりますので、洗剤成分がなくなるまで2~3回すすいでください。

④軽く手絞りで脱水するか、もしくは脱水をしない「ぬれ干し」をします。

洗濯機で洗う場合

①麻素材のお洋服を洗濯ネットに入れます。洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤を用意します。

②洗濯機の「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」「ドライコース」など、弱水流の優しく洗ってくれるコースを選択します。

③脱水時間は長くて1分までにとどめましょう。脱水を行わずに干す「ぬれ干し」も、シワになりにくいのでおすすめです。

ぬれ干しとは?

洗濯した衣類を脱水せず、濡れたままの状態で干すことです。
麻・リネンはシワになりやすく、きついシワだとアイロンをかけたとしてもうまく伸ばすことができません。
脱水をしないことにより、余分なシワがつかず綺麗に乾かすことができます。

麻は乾きが早いため、夏場は半日~1日あれば脱水をしなくても十分に乾きます。気になる場合はバスタオルで水気を取ってから干しても構いません。

自宅で洗う場合はあまり神経質にならず、麻独特の風合いや多少のシワ感も楽しんでしまいましょう♪

水洗いできるものは、洗うほどに味が出てきますよ。

麻・リネンのアイロンのかけ方

シャツにアイロンがけ

麻・リネン素材のお洋服を自宅で洗ったあと、気になるのがシワの問題かと思います。

部屋着やパジャマならそのままでも構わないと思いますが、ちょっとでも外に着て行くお洋服の場合は、やはりアイロンをかけて綺麗にしたいですよね。

ひろ

え~、めんどくさい……。

杏奈

麻だからと特別なやり方をするわけではないのよ。基本のアイロンがけで大丈夫。

麻・リネンのアイロンのかけ方《高温の基本のアイロンがけ》

  • 麻100%の場合は高温・スチーム可能
    (洗濯表示をよく確認してください)
  • 濡らした方がシワが伸びやすいので霧吹きも用意する
  • 大切な衣類はあて布をする
  • アイロン台の上に広げ、霧吹きした箇所を手で引っ張るようにアイロンをかけていく
  • 熱いうちに動かすとシワになるので、冷めるまでハンガーに吊るしておく

綺麗にアイロンをかけられたとしても、完全にシワを取ることはできないかもしれません。しかし、程よくリラックスした雰囲気が出るのも麻の魅力です。

忙しい方には「宅配クリーニング」もおすすめ

自宅で洗えない麻のお洋服、大切なお洋服の場合などは、クリーニングの方がベターであることをお伝えしました。

しかし…

普段から仕事や家事で忙しくしている方は、クリーニング店に衣類を出しに行き、また引き取りに行くというのが手間に感じられることと思います。

そんな方におすすめなのが「宅配クリーニング」です。

ひろ

宅配クリーニング?

杏奈

そう。自宅から配送に出して、クリーニングされたお洋服の受け取りも玄関先で済むので、とっても便利よ!

私も手洗い可能な麻のスカートをうまく洗う自信がありませんでしたので、クリーニングにお任せしました↓

縮むことなく綺麗になって返ってきましたので、外出用の麻のお洋服はこれからもクリーニングに出そうと思っています。

まとめ

洗濯すると縮んでしまいやすい麻・リネンのお洋服について、

  • 自宅で洗うのか
  • それともクリーニング?

とても簡単な判断基準のポイントをお伝えしました。

  • 洗濯表示を確認し、
  • 長く大切に着たい仕事着や外出着は、クリーニングに出す。
  • 自宅での洗濯はホームウェア、カジュアルウェアなどの普段着を中心に。
杏奈

自宅での洗濯とクリーニングをうまく組み合わせて、麻の特徴を楽しんでみてくださいね!

今回利用したクリーニングはコチラ 

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