冠婚葬祭などの際に着用する、大人なら1着は用意しておきたい礼服・喪服。
「百貨店などのフォーマル売場に売っている服」といえば想像しやすいですよね。
ここぞという時の大切な服ではありますが、着る頻度が少ないだけに、クリーニングの出し時に迷ってしまうアイテムでもあります。
また、特別な服装であるだけに、普段の服と同じように扱っていいのかも気になるところですよね。
礼服・喪服のクリーニングについて、このような疑問を持つことはないでしょうか?
- 礼服・喪服のクリーニングの料金相場はどれくらい?
- クリーニングに出す頻度は?
- お手入れ方法は?
- 礼服・喪服のクリーニング適したオプションは?
- 礼服や喪服におすすめの宅配クリーニングは?

この記事では、こうした礼服・喪服のクリーニングに関する疑問にお答えしていきます。
礼服・喪服の特徴を理解して、綺麗に長持ちさせる工夫をしてみてくださいね!
そもそも、礼服と喪服の違いとは?


礼服と喪服はどちらも似たようなイメージですが、意味あいが微妙に異なります。
礼服:冠婚葬祭などの改まった場で着る服の総称
礼服は、冠婚葬祭(結婚式・お葬式・入学式・卒業式)など、人生の節目となる大切なシーンで着るフォーマルウェアの総称です。
つまり、喪服よりも礼服の方がより大きい括り(くくり)というわけですね。
女性の場合、フォーマルウェアにはカラーフォーマルとブラックフォーマルがあります。
カラーフォーマルは明るい色のスーツやワンピース、アンサンブルなどであることが多いです。結婚式や入学式に着ていく服のイメージですね。
一方、喪服は「慶弔」のうち「弔事」の時に着用する服装で、一般的にブラック・フォーマルと呼ばれています。
喪服(ブラック・フォーマル):礼服の中で、特にお通夜、お葬式、告別式、法事などの「弔事」の際に着用する服
露出の少ないシンプルなデザイン、光沢を抑えた上質な素材で作られており、高級になるほど深い黒(漆黒)に染められています。
女性の場合ブラック・フォーマルには「慶弔両用」と「弔事用」があるということですが、一般的には「お葬式の時に着る服」という理解で良いかと思います。
お葬式以外に着ていく行事としては、アクセサリ-など小物類を変えて卒業式に列席する時などです。



この記事内では、「礼服」と「喪服」は黒のフォーマルウェアとして同じもののことを指しています。
また、礼服・喪服と一般的な黒のスーツとの違いについてですが、全体的なデザインや生地のふくらみ感の違い、黒の深さの度合いが違います。
礼服・喪服と黒のスーツを横に並べて比較すると、黒の色合いや、生地の風合いが違うのがよくわかるでしょう。
礼服・喪服のクリーニング料金相場


礼服・喪服のクリーニング料金の相場は、2,000円~3,500円程度が一般的です。
礼服・喪服のクリーニング料金は普通のジャケットやパンツ、スカートなどと比べてやや高めの設定です。
なぜかというと、礼服・喪服は重要な行事で着用する格式の高い服装であり、素材や仕立てが上質であるゆえ、長く大切に扱うものとされているからです。
それゆえ、通常の服よりも丁寧な処理をする必要があり、洗剤や溶剤などのランクを上げてできるだけソフトに洗い、職人さんが手仕上げでアイロンを行ったりします。
アイテム別の料金はおよそ以下の通りです。
- ジャケットは1,000円~2,000円程度
- パンツは700~800円程度
- ワンピースは1,300~1,400円程度
礼服は上下セットで着るものですから、合計すると2,000円~3,500円ほどになります。
ちなみに以前私が近所のクリーニング店に出した時は、ワンピースとジャケットでデラックス仕上げを依頼したところ、税込3,100円ほどでした。
礼服・喪服をクリーニングに出す頻度は?
礼服・喪服のクリーニング料金は一般の服よりもやや高い設定ですので、クリーニング代を負担に感じることもあるでしょう。
しかも礼服や喪服はあまり着る機会がなく、お通夜やお葬式に出席したとしても短時間で済むこともありますね。
「そんなに汚れていないし・・・」
と、クリーニングに出さずにそのまましまってしまうことはないでしょうか。



喪服のクリーニングって、何回くらい着たら出したらいいのかな?



基本的には、一回着たらその都度クリーニングに出すのがベストなんです。
一度着用したらクリーニングに出すのが基本
礼服や喪服をクリーニングに出す頻度ですが、たとえ短い時間であっても、礼服や喪服は一度着たらクリーニングに出すのが基本です。
理由は2点あります。
- 特別な日に着る礼服や喪服は、行事が終わってしまえば当分の間着ることがないから。
- たとえ短時間であっても、目に見えない埃や汗、皮脂、食べこぼしなどが付着しているから。
汚れを放置すると繊維の中にしみこんでしまい、梅雨時など湿度の高いタイミングでカビが発生する危険性があります。
白カビは一度生えてしまうと落とすのは容易ではなく、必要な時に着られない状態だった・・・ということも。そうなると買い替える必要があり、結局は高くついてしまいます。
クリーニングに出さなくても良い例外ケース
一方で、クリーニングに出さなくても良い例外もあります。
- 汚れる条件が本当に何もなかった時
- 一連の行事が続いている時
上記の条件に当てはまる時は、クリーニングに出さなくても良いでしょう。
ただし、服の状態をよく見極めてから判断してくださいね。
〈例外①〉汚れる条件が何もなかった時
汚れる条件が本当に何もなかった時とは・・・
- ごく短時間の着用で、汗をかいていない
- 飲食していない
- 晴れていた(雨が降っていなかった)
- ほこりや花粉、臭いにさらされていない
- その他汚れるようなことは何もしなかった
このような条件が揃った時は、クリーニングに出さなくても良いかもしれませんね。
とはいえ、目に見えない汚れが絶対ないとは言い切れないので、思わぬ時にシミや白カビが発生する可能性も否定できません。
不安を感じる方はクリーニングしておくほうが無難でしょう。
〈例外②〉一連の行事が続いている時
お通夜、お葬式、四十九日・・・など、予定があらかじめわかっている一連の行事がしばらく続く場合は、全ての行事が終わってからクリーニングに出す方が効率的です。
とはいえ、真夏で大量に汗をかいた場合はシミになる恐れもありますし、主催者側だと忙しく立ち回り、通常よりも汚れている可能性もあります。
そのような場合は固く絞ったタオルで軽く叩くように応急処置をしておき、なるべく早くクリーニングに出すようにしましょう。
礼服・喪服の保管とお手入れ方法


ここでは礼服・喪服をできるだけ良い状態で長持ちさせるための保管とお手入れ方法をご紹介します。
通気性の良い環境で保管
衣類全般に言えることですが、取り出す頻度の少ない礼服や喪服は特に風通し、つまり通気性の良い環境が大事です。
ビニールを外す
クリーニングから返ってきた時についてくるビニールを、ほこり避けの代わりに使っている方も多いのでは?
しかし、ビニールは通気性が悪く湿気がこもり、カビの原因になりますので避けたいところです。
通気性を保つためにクリーニングから返ってきたビニールは外し、不織布カバーに変えましょう。
陰干し・風通し
衣替えのタイミングで、半年に1回、もしくは1年に1回は陰干しや風通しを行います。
クローゼットの扉を開け放つだけでもO.Kです。
そうすることで空気の流通を良くしてカビの発生を防げますし、礼服や喪服の状態も目視してチェックできるので一石二鳥です。
除湿剤
衣類は湿気に弱く、長時間湿度の高い環境に置かれると生地が傷みやすくなります。
また、カビの原因にもなりますので、湿気対策はぜひしておきたいところです。
除湿剤を置いて収納の中の湿気をできるだけ取り除く工夫をしましょう。
型崩れしないハンガーは必須
長期間保管している間に型崩れしてしまった・・・
ということにならないために、肩のラインにフィットした厚めのハンガーに掛けておきます。
礼服や喪服を購入した時にサイズに見合ったハンガーを貰える場合は、そのまま使用しても良いですね。そうでない場合は、肩幅に合った厚めハンガーを用意し、つけ替えましょう。
ブラッシング
ほこりや花粉などの汚れを払ったり生地表面を整えるためにブラッシングを行います。
衣類用のブラシで毛並みを整えるような感じで優しくブラッシングしましょう。
大切な礼服・喪服を傷みから守り、良い状態をより長持ちさせることができます。
礼服・喪服クリーニングでつけたいオプション
礼服のクリーニングを出す際に検討したいオプションを4つご紹介します。
- 汗抜き加工
- 防虫・妨カビ加工
- 防臭加工
- 撥水加工
これらの加工オプションは一般的なものではありますが、クリーニング店によってあったりなかったりします。適宜依頼すると良いでしょう。
それぞれの加工のポイントを解説していきます。
汗抜き加工
着用中にたくさん汗をかくと、脇や背中などの汗ジミやにおい、カビなどが気になります。
ドライクリーニングだけだと水溶性の汚れが落ちにくいというデメリットがあり、それを補ってくれるのが汗抜き加工です。
「汗をたくさんかいてしまったな」と思った時には、汗抜き加工を依頼すると良いでしょう。
防虫・防カビ加工
礼服や喪服にウールやシルクなどの天然素材が含まれている場合は虫がつきやすいため、防虫加工が適しています。
また、保管している間に湿気がこもることにより、知らない間にカビがついてしまっていることも。
突然必要になった時にも、綺麗な状態で取り出せるのが礼服・喪服の正しい管理の仕方。防虫・防カビ加工のオプションがある場合はつけておくと安心です。
防臭加工
線香やタバコ、食べ物のにおいなど、礼服・喪服は意外にも強いにおいにさらされる機会が多いです。
礼服や喪服を取り出した時に、何だかわからない前回のにおいが残っているとげんなりしてしまいますよね。
強いにおいは普通にクリーニングするだけでは落ちない場合もあるとされており、防臭加工を施すことにより、これらのにおいをシャットアウトできます。
撥水加工
撥水加工は水が染みこまないように生地表面をコーティングします。
着用事の汚れは、悪天候時の雨や雪、泥はねなどの水溶性の汚れや食事の食べこぼしや飲みこぼし、女性であれば着脱時のファンデーションや口紅、日焼け止めなど、さまざまな原因が想定されます。
撥水加工をすることで汚れのつきにくい状態をキープすることができ、汚れそうな局面でも多少の気持ちの余裕をもって行動することができます。
まとめ
礼服・喪服の料金相場とクリーニングの頻度、保管方法についてお伝えしてきました。
- 礼服・喪服のクリーニング料金相場は2,000円~3,000円
- 一度着用したらクリーニングに出すのが基本
- 通気性の良い環境で湿度と型崩れに注意して保管
礼服・喪服は、マナーを大切にすべき時に着る装いです。
いつ取り出しても綺麗に着ていける状態であることが望ましく、いざという時にあわてずに済むよう、普段からお手入れをしておきたいですね。