杏奈寒がりなんだけど、何かいいアイテムはないかしら……?



暑さも寒さも、天然素材のものが快適に過ごせるんだって。



天然素材か……冬だとカシミヤが暖かいわね! カシミヤのストールを調べてみよう~。
だんだんと日が短くなり、肌寒さを感じはじめると、暖かいマフラーやストールが恋しくなりますね。
スコットランドの老舗メーカー「ジョンストンズ」は、最高品質のカシミヤを用いたマフラーやストールが人気です。
あなたもそれとは知らずに、ジョンストンズのチェック柄を纏った人々を(街ゆく人やテレビの中で)きっと見かけたことがあるに違いありません。
この記事では、ジョンストンズのカシミヤマフラーやストールに
「少し興味があるかな?」
という初心者の方向けにまとめてみました。
- ジョンストンズのカシミヤマフラー・ストールに興味がある・購入を検討している方
- スコットランドのタータンチェックを押さえておきたい方
また、購入を検討する際に重要となる項目、
- 比較すべき他ブランドとの位置づけ
- 購入の際に知っておきたいジョンストンズのサイズやチェック柄について
- 正規品と並行輸入品との違いについて
についても言及しています。
スコットランドのチェック柄についても解説していますので、この記事を読めば、ジョンストンズ製品についてのおおまかな知識が手に入るでしょう。
この機会に、ジョンストンズの理解を深めていただければ嬉しいです。
ジョンストンズについて
ジョンストンズ オブ エルガン社(Johnstons of Elgin)は、1797年にスコットランドで創業された老舗のテキスタイルブランドです。
スコットランドといえば、霧に覆われた山々や広大な峡谷など、ダイナミックな景観が特徴。また、バグパイプやタータン、ケルト文化など、独自の文化が根付いた土地でもあります。


そんなスコットランドが誇るジョンストンズのカシミヤ製品は、職人さんたちの手により自社工場で一貫生産されたもの。その工程の多くは、今なお伝統的な手法で行われています。
最高ランクの原毛だけを用いたカシミヤストールは、上質のカシミヤだけがもつ独特のツヤ感、ぬめり感などが特徴です。
そのように贅沢に作られたカシミヤ製品は、身につけるだけで幸せな暖かさに包まれ、うっとりと高貴な気分になれそうですね。


「最高のもののみが全て」
というモットーを貫き、2013年にはチャールズ皇太子(現国王)により王室御用達(ロイヤル・ワラント)の称号が与えられました。
暖かく品質の高いジョンストンズのストールやマフラーは、日本でも毎年大変人気です。
ジョンストンズを購入する際のポイント
さて、早速ですが、ジョンストンズの購入を検討する際の事前知識やポイントをまとめてみました。
- ジョンストンズの比較対象になるブランドは?
- ストールのサイズ展開について
- 正規品と並行輸入品の違い
タータンの種類については次章で解説しています。
ジョンストンズの比較対象になるブランドは?
ジョンストンズの購入を検討する際、品質・値段が似たようなブランドがあるのであれば、念のために知っておきたいかもしれません。
いくつか対象となるブランドがありますので、簡単にまとめてみました。
- BEGG & CO(ベグ アンド コー)
- Joshua Ellis(ジョシュアエリス)
-
1767年創業の英国最古のテキスタイルファクトリーの一つで、極上の滑らかさやしっかりとした生地感といった、最高品質のカシミヤを提供しています。
- PIACENZA(ピアチェンツァ)
- BURBERRY(バーバリー)
-
おなじみの、英国を代表するラグジュアリーブランドです。カシミヤストールの取り扱いもあります。
- LOEWE(ロエベ)
-
スペイン王室御用達のラグジュアリーブランドで、カシミヤ製品も人気です。
こうしてみると、ジョンストンズのカシミヤ製品は、王室御用達などの世界のラグジュアリーブランドと比肩するレベルだと言えますね。
スコットランドやイギリス、あるいはチェック柄が好きな方であれば、「BEGG & CO(ベグ アンド コー)」や「Joshua Ellis(ジョシュアエリス)」が有力な比較候補になってきます。
価格帯は「ベグ アンド コー > ジョンストンズ > ジョシュア エリス」となっており、ベグ アンド コーは非常に高価。
ジョンストンズの価格は安くはありませんが、「長く使用できる投資アイテム」として、3社の中ではそこそこ利用しやすい中間的位置づけです。
(ひと昔前は今よりリーズナブルな価格で手に入ったのですが、近年は価格が高騰しています)
ストールのサイズ展開について
ジョンストンズのカシミヤストールには
「大判サイズ」
「中判サイズ」
「小判サイズ」
の3サイズ展開があります。
- 大判ストール:190×70cm
しっかりした厚み、腰まで覆えるので羽織るのにちょうど良い。持ち運ぶにはやや大きめ - 中判ストール:190×35cm
軽く持ち運びにも最適。肩甲骨のあたりまで覆える。マフラーの代わりとしても使える - 小判マフラー:180×25cm
外出時のコートやダウンの首元に。スーツにも使えるので男性にも人気
大判サイズは、ライトアウターとして1枚で羽織るか、デスクワークでブランケット代わりに。もしくは、自宅の部屋の中で使用するイメージです。
マフラーとして使用するのなら、「中判サイズ」もしくは「小判サイズ」から選べば良いでしょう。
サイズが大きくなるにつれて生地の厚みが出て、チェック柄も大きくなっていきます。
参考①:正規品の価格(2025年)
- 大判ストール:93,500円
- 中判ストール:58,300円
- 小判マフラー:41,800円
参考②:正規品の価格(2024年)
- 大判ストール:86,900円
- 中判ストール:52,800円
- 小判マフラー:38,500円
正規品と並行輸入品の違い


ジョンストンズの正規品と並行輸入品の違いについて解説します。
- 正規品
-
- ジョンストンズと日本の正規代理店が正式に契約を交わし、日本に輸入された製品
- 現在では渡辺産業株式会社が正規輸入代理店となっており、伊勢丹やBEAMSなどのショップはここから仕入れを行っている
- 日本語の品質表示タグが付き、代理店名・住所などが記載されている
- 価格が高く、統一されている
- 品質管理が徹底され、アフターサービスや保証の面でも安心して購入できる
- 並行輸入品
-
- 正規品以外のルートで輸入されたもの全てを指す。海外の正規店や正規代理店、免税店などから直接買い付けを行っている
- 価格が比較的安い
- 日本で取り扱いのない色柄を手に入れることができる
- 英語表記の品質表示タグが付いている
- 品質にばらつきがあり、偽物との区別が難しい
正規品は価格が高いのがデメリットですが、それ以外の面ではあらゆる点で安心であり、たとえば中古として売る際にも値段がつきます。
並行輸入品は偽物というわけではなく、現地で直接買い付けた「本物」であり、購入価格が安いのがメリットです。



正規品の価格は58,300円なのに、安いネットショップだと24,750円なのね。



3万円以上も違うの?



…安い方がいいけど、もし偽物だったらどうしよう?



どうやって見分けたらいいのかな…
偽物については、チェックの柄やブランドタグまでそっくりだそうで、比較をせずそれだけを見て本物かどうかを判別するのは難しいとのこと。
偽物の場合は品質が粗悪であるため、手触りの違いでわかるとも言われています。しかし、逆に何らかの方法で手触りの問題が解決されていたら、素人にはもはや区別がつきません。
ショップ自体が偽物と気づかずに販売している可能性もあるそうですから、購入する際は慎重に、安いからといって飛びつかないようにしましょう。
ネットショッピングでの判別に自信がない場合は、正規販売店や百貨店、ルートがはっきりしているセレクトショップなどでの購入をおすすめします。
タータンチェックについて


次に、ジョンストンズのストールを語る上で外せない「タータンチェック」について解説していきます。
タータンチェックは、日本にいる私たちにとっても身近な存在ですよね。
しかし実は、タータンチェックはジョンストンズ発祥の地・スコットランドの由緒ある柄であることをご存知ですか?
この、「由緒ある柄」というところがポイントです。



それでは、タータンチェックの基本を押さえていきましょう♪
タータンチェックについての予備知識があれば、きっとジョンストンズを選ぶ楽しさが倍増しますよ。
タータンチェックの分類
日本では「タータンチェック」と呼ばれていますが、本場では単に「タータン」といいます。
タータンはスコットランドの歴史と密接に関係しており、家柄や氏族を表すものとして大切に受け継がれてきました。
タータンは大まかにいくつかのグループに分けられます。
- ロイヤル・タータン
-
王室が用いるタータン。王族のみが着用を許されるタータンと、一般でも使用できるものがあります。
「バルモラル・タータン」は、グレーの地に赤と黒のチェックで、王室専用です。
「ロイヤル・スチュワート」は世界で最も有名なタータンであり、エリザベス2世が愛用していたことでも知られています。


ロイヤル・スチュワート 赤を基調にした配色で、華やかさがありながらも、どこか品を感じさせますね。
- ドレス・タータン
-
夜会などのフォーマルな正装用に、もともと存在するタータンに白を基調として生まれたもので、優しい雰囲気が特徴です。ヴィクトリア朝時代から用いられるようになりました。
「ドレス・スチュワート」は白地に「ロイヤル・スチュワート」の赤・緑・黄色が配されています。


ドレス スチュワート
https://johnstonsofelgin.com/また、ゴードン公爵の「ゴードン・タータン」のバリエーションである「ドレス・ゴードン」なども有名です。
- ミリタリー・タータン
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軍隊が着用するタータンです。有名なものに「ブラック・ウォッチ」があります。
ハイランド地方の連隊が黒っぽい色(ブラック)の制服を身につけて警護(ウォッチ)を行っていたことからこの名前がつきました。


ブラックウォッチ - クラン・タータン
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スコットランドの由緒正しい氏族(クラン)を構成する者が着用するタータン。日本の家紋のような意味合いがあります。
- ディストリクト・タータン
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地域に関係したタータンで、パターンの違いによって特定の地域を表します。
- コーポレート・タータン
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会社や組織のために作られたタータン。バーバリーや伊勢丹のタータンが有名です。
- ファッション・タータン
-
ファッションやビジネス・商業で使われるタータン。伝統性とは無関係であり、誰が着ても良いとされます。
- ハンティング・タータン
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もともと存在するタータンが、黒や茶、暗緑色など、自然に溶け込むような暗い色調が特徴となっているもの。
主に狩猟やスポーツといったアクティブな場面での使用を想定してデザインされたもので、ヴィクトリア時代に生まれたとされています。
- メモリアル・タータン
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記念や追悼のためにデザインされたタータンです。「ダイアナ・プリンス・オブ・ウェールズ・メモリアル」など。



タータンにもいろんな種類があるんだね!



有名なタータンは日本でも馴染みのある柄ばかりだから、親しみが湧くわね。
ジョンストンズのタータンの種類
ジョンストンズのチェック柄には多くの種類があります。以下のような伝統的なタータンが、ラインナップに含まれています。
- ロイヤルスチュワート
- ブラックスチュワート
- ドレススチュワート
- ブキャナン
- ブラックウォッチ
- ドレスゴードン など
有名なタータン柄は、日本でも洋服や雑貨などの様々なアイテムで非常によく見かける柄です。
どの柄も顔周りを華やかに彩ってくれますが、良い品質のものは大胆なチェックでも決して派手すぎず、しっくりと馴染んでくれるところはさすがです。
気に入った柄を選ぶ際に、そのタータンの歴史や由来を知っておけば、よりいっそう愛着がわいてきそうですね。
伊勢丹のタータンについて
ところで、世界中のタータンチェックは、スコットランドのタータン登記所という場所で一括管理されているのをご存知でしょうか。
新しくタータンを登録したい場合は、登記所に申請をして認定される必要があります。
日本で馴染みのあるタータンチェックの例としては、伊勢丹のタータンがありますね。


伊勢丹の代表的なタータン「マクミラン」は、2013年に「マクミラン/アンシェント」から「マクミラン/イセタン」にリニューアルしていますが、実はこれらの柄は、タータン登記所の正式な認定を得たもの。
日本で使われているタータンチェックがスコットランドで認定されているなんて、少し不思議な気がしますね。
ちなみに伊勢丹メンズ館のショッピングバッグには、「ブラックウォッチ」が使用されています。
イギリス王室も「スコットランド・キルト」で公務
イギリス王室のニュースなどを見ていると、時おり、国王や王妃がタータンを着用して公務に臨まれるシーンが出てきます。
特にスコットランド地方を訪問される際など、本場のとても洗練された装いが目につきます。
著作権の関係で写真を掲載できませんが、王室専用の「バルモラル・タータン」をお召しになっている姿も見ることができますよ。
何げなく流れてくるニュースも、タータンを少し勉強することで、いつもと違った新鮮な角度から見ることができそうですね。
よくある質問
- ジョンストンズは何年使えますか?
-
最高品質のカシミヤを用いたジョンストンズは、適切なお手入れを行えば何十年でも愛用することができます。
- ジョンストンズのお手入れ方法は?
-
洋服ブラシで優しくブラッシングを行い、埃を取り除くお手入れを普段から行いましょう。シーズンオフでは、洗濯表示に従って、クリーニングもしくは自宅で手洗いを行います。保管の際は防虫剤と一緒に、通気性の良い場所に保管します。
- ジョンストンズの並行輸入と正規品の違いは何ですか?
-
「Johnstons (ジョンストンズ)」と「日本の正規代理店」が正式に契約を交わし、日本に輸入したものが「正規品」です。正規品には、日本語の品質表示タグがつきます。
上記以外のルートで仕入れられたものは全て「並行輸入品」です。
まとめ




スコットランドの風景や文化は、ファンタジーから抜け出てきたような一種独特の魅力があります。
タータンの本場から生み出されるカシミヤ製品には、遠く離れた日本人にも奥深い魅力が感じられるのではないでしょうか。
毎年大人気の、ジョンストンズのカシミヤマフラーやストール。
最近の事情では決してお安い値段ではありませんが、購入を検討しているのであれば、自分にとってのお気に入りの一品を選ぶ楽しみをぜひ味わってみてください。
歴史や文化という付加価値も含めて価値のあるストールですから、自分の中でゆっくり温めてから、「これ!」という1枚に出会えるといいですね。



以上、スコットランドとタータンへの愛だけで語ってしまいました~。



冬のぬくぬくアイテム、ほっこりしていいよね♪




