世の中には多くの衣類用防虫剤が出回っていますが、どれがいいのか判断に迷いませんか?
特に赤ちゃんや猫、犬などのペットがいるご家庭では、できるだけ安全な防虫剤を選びたいと考えておられる方も多いでしょう。
この記事では、防虫剤のシェアが高い「ムシューダ」シリーズの中の「かおりムシューダ ボタニカル」について、使用されている成分や香りを解説していきます。
- ムシューダなどの無臭性の防虫剤は本当に安全なの?
- 香りがつくとどうなる?
結論からお伝えすれば「かおりムシューダ ボタニカル」の防虫成分は安全性が高く、赤ちゃんやほ乳類のペットがいても使用可能です。
ただし、防虫剤ですので食べ物と同じくらい安全というわけにはいきませんし、特に猫の場合は注意すべき点もあります。
この記事を読んで、ぜひ防虫剤選びの参考にしてみてくださいね。
大切な家族を守るために、ちょっとだけ使い方や成分を気にしてみてね。
後半では香りについてもレビューしています。
「かおりムシューダボタニカル」は香りも楽しめる防虫剤
引用元:エステー かおりムシューダ公式サイト
パッケージがおしゃれ!
かおりムシューダボタニカルとは
- エステー株式会社
- 防虫成分:エンペトリン
- 「引き出し・衣装ケース用」と「クローゼット用」がある
- かおりシリーズは他に「かおりムシューダ」と「かおりムシューダ プレミアムアロマ」がある
衣類用防虫剤「ムシューダ」は
「ムシューダ」「かおりムシューダ」「かおりムシューダ ボタニカル」「かおりムシューダ プレミアムアロマ」の4種類に大別されます。
「かおりムシューダボタニカル」はシリーズ3作目であり、ボタニカルの自然な香りを楽しみたい方向けに作られた製品です。
ムシューダは種類が多いのでどれを選べばいいのか混乱しそうですが、発売順に時系列にまとめると以下のとおりです。
1988年 ムシューダ発売
↓
2010年 かおりムシューダ発売
↓
2018年 かおりムシューダボタニカル発売
↓
2019年 かおりムシューダプレミアムアロマ発売
引用元:エステー ムシューダ公式サイト
普通の「ムシューダ」の発売から直近の「かおりムシューダプレミアムアロマ」まで、実に31年の歳月が流れています。
時代の流れとともに、だんだんグレードが上がっていくイメージですね。
(以後本文では「かおり」を省略し、「ムシューダボタニカル」とさせて頂きます)
ちなみに「ムシューダ」という名前の由来は、防虫剤特有の強いにおいの製品が一般的だった時代に、「においがしない(無臭)の防虫剤」として発売されたから、ということのようです。
かおりムシューダボタニカルの成分と安全性
では早速、ムシューダボタニカルの成分と安全性についてみていきましょう。
ムシューダボタニカルの防虫成分はエンペントリン
商品名 | 使用成分 |
---|---|
ムシューダ | プロフルトリン |
かおりムシューダ | プロフルトリン、香料 |
ムシューダボタニカル | エンペントリン、イソチアゾリン系妨カビ剤、香料 |
ムシューダプレミアムアロマ | エンペントリン、イソチアゾリン系妨カビ剤、香料 |
ムシューダボタニカルの主成分であるエンペントリンは、「ピレスロイド系」の防虫剤です。
ピレスロイド系?
「ピレスロイド」とは、除虫菊(蚊取り線香の主成分)から抽出された天然殺虫成分をもとに化学合成した物質の総称です。
エンペントリンはピレスロイド系の中でも主に衣類用の防虫剤として用いられ、無臭で、安全性の高い防虫成分として知られています。
赤ちゃん、猫などのペットのいる家庭で使っても安全?
とはいうものの・・・
ひと言で安全性が高いと済ませられても、実際のところ本当に大丈夫なの?
と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
というわけで、エステーの公式サイトで以下のようなQ&Aを発見しました。
引用元:エステー公式サイト
人間や犬や猫などのほ乳類は大丈夫って書いてあるよ。
そうね。それでも一応、赤ちゃんや猫や犬などのペットのいる家庭では、使う時には注意はした方がいいわよね。
あと、上の質問って「ムシューダ」の話だよね。
よく気がついたわね。「ムシューダボタニカル」には香りがあるから、猫の場合の注意点を説明するわね。
赤ちゃん
ピレスロイド系の防虫剤は、ほ乳類の体に入っても速やかに代謝されて体外へ排出されます。これがピレスロイド系の防虫剤が安全と言われている理由です。
とはいえ・・・大人でも、防虫剤のにおいを高濃度で嗅ぐと気分が悪くなることがありますよね。
赤ちゃんは大人に比べて体が小さく、また床に近い場所にいることも多いので、防虫剤を手に取ったり、誤って口に入れることのないようにしましょう。
大量に吸引したり口に入れたりした場合は中毒症状が出ることも
私たちが普段美味しく飲んでいるコーヒーも、一定量を超えて大量に摂取するとカフェイン中毒を起こす危険性がありますよね。
ピレスロイド系は殺虫剤に用いられている成分であり、大量摂取により神経中毒を起こすことが報告されています。
防虫剤を使う時は、必要最低限で短時間の使用、換気を行うなどに注意しましょう。
猫、犬などのほ乳類
猫や犬も赤ちゃんと同じくほ乳類であり、ピレスロイド系は速やかに分解されるので無害であると言われています。
しかし、猫の場合は毛繕いをして全身を舐めることで、気化した成分が体内に大量に取り込まれる恐れがあります。
動物は言葉が話せない上に、辛さやしんどさをあまり表しません。基本的に防虫剤が気化した空気を吸わせない、防虫剤に触れされない方が良いでしょう。
誤って飲み込んでしまった場合は、すぐに獣医に相談することが必要です。
猫はアロマの香りに弱いので注意!
アロマオイルや香料、あるいはユリやアジサイなどの自然の植物も、猫にとって注意すべき危険な物質です。
「ムシューダボタニカル」に使用されている香料は
・ラベンダー
・ゼラニウム
・ペパーミント
・ベルガモット
の4種類ですが、いずれも猫が嫌う、もしくは体調不良につながる恐れがあります。
アロマや香料入りの製品を使用する場合は猫を遠ざけ、換気を行うようにしましょう。
なお、犬の場合はそこまで心配しなくても大丈夫です。
ムシューダボタニカルは猫には使わない方がいいってこと?
そうね~、普通のムシューダとか、香りがついていないものがいいかしらね。
昆虫、金魚、熱帯魚、両生類、爬虫類
昆虫、金魚、熱帯魚、両生類、爬虫類に対しては毒性が強く表れるため、ピレスロイド系の使用はタブーです。
衣類用防虫剤の場合は密閉した空間で使用し、蚊やハエなどの殺虫剤のように空気中に強く拡散することがないので比較的安全かもしれません。
しかし、体の小さな昆虫などは、空気中に漂っている物質からでも人間の数百倍の影響を受けてしまいます。
衣類用防虫剤は揮発性ですので、絶対に袋や箱を近くに放置しないようにしましょう。
妨カビ剤はイソチアゾリン系を使用
ムシューダボタニカルには防虫成分だけでなく、衣類をカビから守ってくれる妨カビ剤も配合されています。
これが「イソチアゾリン系妨カビ剤」です。
イソチアゾリン系は防腐剤や妨カビ剤、抗菌剤として、シャンプーや化粧品など私たちの身近な日用品などにも使用されています。
衣替えなどに適度に利用するだけなら過度に心配することはありません。
でも、飲み込んでしまった場合は別です。速やかな対処が必要です↓
使用法を守って快適に衣替えをしてね♪
かおりムシューダボタニカルはこんな香り
ではここから、ムシューダボタニカルの香りについてご紹介していきます。
ムシューダボタニカルの香りは
- 「ラベンダー&ゼラニウム」
- 「ペパーミント&ベルガモット」
の2種類です。
「ラベンダー&ゼラニウム」はフローラル系の甘そうな香り、
「ペパーミント&ベルガモット」は清涼感あるスッキリとした香りが思い浮かびますね。
防虫剤は一定期間密閉された空間で使用するので、においがこもりがち。
買ってみた後に、「やっぱりこのにおい、キライ」となるのは辛いですよね。
香りを言葉で伝えるのは難しいですが、ここではそんな失敗をできるだけ避けられるよう、2種類の香りの違いをお伝えしていきます。
ラベンダー&ゼラニウム
風にそよぐ爽やかなラベンダーに、軽やかな甘さのある可憐なゼラニウムを重ねた、穏やかで心落ち着く香りです。
引用元:エステー かおりムシューダ公式サイト https://mushuda.st-c.co.jp/special/kaori.html
風にそよぐラベンダーと可憐なゼラニウムの香り・・・?
素敵なイメージだけど、ちょっとわかりにくいわよね。実際に香りを確かめてみました。
フローラル系のいい香りです。
仮に服にこの香りがついたまま外出しても何も問題なさそうな、良い香り。
ただ、ラベンダーやゼラニウムなど実際のアロマオイルを日常的に焚いている身としては、これが「ラベンダーとゼラニウムの香りですよ」と言われて納得できるかというと・・・
香りの雰囲気としては、う~ん・・・少し違うかなという感じです。
ではどんな香りかと言われると表現が難しいのですが・・・強いて言えば、バブなどの固形入浴剤に鼻を近づけてみた時に感じるにおい、もしくはファブリーズなど消臭剤のフローラルの香りに近いような。
余計わかりにくいですね。少し人工的な香りがするという意味です。
良い香りであることは間違いないですが、ボタニカルという言葉につられて、アロマ好きな方や天然の防虫剤(防虫成分も香りも)を求めている方が期待して買うのは少し違うかもしれません。
一般的に甘めのフローラル系が好きな方には、おすすめしたい香りです。
ペパーミント&ベルガモット
朝露をまとった清涼感のあるペパーミントに、太陽の恵みを受けたみずみずしいベルガモットを重ねた、すっきりと心地良い香りです。
引用元:エステー かおりムシューダ公式サイト https://mushuda.st-c.co.jp/special/kaori.html
元気が出そうな香り?
スッキリしてそうね。
かすかに柑橘系を感じる、甘くさわやかな香りです。
ペパーミントの香りはそこまで強くなく、バランスが取れている感じです。
揮発性のある防虫剤ですのでこの香りが長時間服にとどまることはないと思いますが、男性・女性どちらから香っても良さそうな好印象な香りです。
私も個人的にはこちらの方が好きな感じです。
ただ、香りは好みですので、好きな方を選べば良いでしょう。
かおりムシューダボタニカル 基本的な使い方と保管方法
ムシューダボタニカルは「クローゼット用」と「引き出し・衣装ケース用」があります。
非常に基本的な話ではありますが、「クローゼット用」と「引き出し・衣装ケース用」ではどこが違うのかと言えば「形状」が違います。
↓こちらの写真は置くだけ「引き出し・衣装ケース用」の中身ですが、クローゼット用は吊るすようになっています。
衣装ケース用は1箱に小袋12袋、合計24個入り。
クローゼット用は、1箱にクローゼット1本分として3個入りです。
1年間有効で、お取り替えサインが出るので交換の目処が立てやすいですね。
防虫剤の基本的な使い方は、
- 使用量と使用期限を守ること。
- 「引き出し・衣装ケース用」は成分を行き渡らせるために一番上の衣類に載せる。
(防虫剤の成分は空気より重いため) - 「クローゼット用」は1つの時は真ん中に、複数の時は等間隔になるように吊り下げる。
以上です。
また、保管する際は必ず密閉された状態にし、直射日光や高温を避けます。クローゼットの場合は開けたままにしないように注意が必要です。
赤ちゃんやペットの誤飲を避けるためにも、手の届かない場所に保管するようにしましょう。
まとめ
ムシューダボタニカルの安全性、成分と香りについての記事でした。
- ムシューダボタニカルの防虫成分は安全性の高い「エンペントリン」
- ムシューダボタニカルの妨カビ成分は化粧品の防腐剤などにも使われている「イソチアゾリン系」
- 通常の使用では人や犬などのほ乳類にはほぼ安全
- 猫の場合はアロマ・香料に注意が必要
- 昆虫、金魚、熱帯魚、両生類、爬虫類には毒
- 香りは「ラベンダー&ゼラニウム」と「ペパーミント&ベルガモット」
一般的な防虫剤としては香りも良く、使いやすい製品です。
とはいえ、赤ちゃんや猫・犬などのペットのいるご家庭では、少しだけ配慮が必要です。
具体的にはその空気を吸い込まないように換気を行い、舐めたり口に入れたりしないように注意してみてください。
安全に、そして快適に衣替えを行って下さいね♪
天然由来成分の防虫剤についての記事もあるよ。
興味がある方は読んでみてね!