ダウンジャケットやダウンコートの品質表示タグを見ると、
ダウン ○○%
フェザー ○○%
という表記を見ることがあると思います。
このように、『ダウン』と『フェザー』はセットで出てくることが多い単語ですが、
「いまいち違いがよくわからない・・・」
という方も多いのではないでしょうか。
そんなあなたのために、この記事では
・ダウンとフェザーの違い
・ダウンとフェザーの黄金比率
・暖かいダウンジャケットの見分け方
などをお伝えしていきます。
ダウンジャケットの暖かさのヒミツを知りたい!という方は、是非この記事を参考にしてみてください。
ダウンとフェザーの役割
ひろちゃん、ダウンとフェザーの違いってわかる?
う~ん、鳥さんの羽根に関係してそうなことぐらいしか・・・
ここでは知っているようで知らない、ダウンとフェザーの違いについて解説します。
そもそもダウンって何?
『ダウン』とは、水鳥の胸の部分の毛のこと。
寒さから身を守るために水鳥だけが有しているもので、陸に生息する鳥にはありません。
1羽の水鳥から採取できるダウンは、わずか10~20gと言われています。
ダウンには羽根の芯がなく、タンポポの綿毛のような形状で非常に軽く、保温性に優れています。
つまり、ダウンジャケットやダウンコートの詰め物として用いられているのが、この綿毛のような『ダウン』なのです。
ダウンとフェザーの違い
先ほどもご説明した通り、ダウンは水鳥の胸の部分の毛です。
一方フェザーはというと、私たちが一般的に想像するような、軸のある羽根のことです。
6.5cm以下のものをスモールフェザー、それより大きいものをラージフェザーといいます。
ダウンを押した時にふんわりとふくらみが戻ってくるのは、フェザーの湾曲した羽軸の働きによるものです。
ダウンとフェザーの関係ですが、
ダウンの割合が多くなるほど軽くて暖かくなり、逆に、フェザーの割合が多くなるほど保温性に劣り重みが増します。
ただし、ダウン100%になってしまうと柔らかすぎて形が崩れやすくなるため、フェザーと混合することにより、適度な復元性と保形性を補っているのです。
ダウンジャケットの黄金比
では、ダウンとフェザーの割合は、どれくらいが良いのでしょうか。
市販されているダウンジャケットの割合は
ダウン 70%~90%
フェザー 30%~10%
あたりが多いかと思いますが、失敗のないダウンジャケットの黄金比はこちらです。
ダウン 90%
フェザー 10%
この割合が、最も軽く暖かいとされています。
有名ブランドなどのダウンジャケットは、だいたいこの割合であることが多いです。
中には、
ダウン 87%
フェザー 13%
のように中途半端な数字のものもありますが、近い数字であればそこまでこだわる必要はありません。
ダウンの暖かさに関係する3つの要素
ダウンの暖かさを決めるのは、ダウンとフェザーの割合以外にも「鳥種」「産地」「フィルパワー」があります。
順に解説していきますね。
「グース」か「ダック」か
ダウンには、水鳥の種類によってダック(あひる)、グース(ガチョウ)、飼育期間が1年以上のマザーグースなどがあります。
一般的に、ダウンの品質が高い順にマザーグース ⇒ グース ⇒ ダックとなります。
理由は、タンポポの綿毛のように丸くなっているダウンボールの大きさと質にあります。
グース(ガチョウ)はダック(あひる)より体が大きく、その分ダウンボールが大きいので多くの空気を内包することができます。
成鳥であるマザーグースのダウンは保温性と耐久性に優れ、最高の品質であると言われています。
ところで、ダウンの色で品質や暖かさは違ってくるの?
色による違いはないわよ。ただし、日本では白(ホワイト)が人気だから、その分他の色より値段が高くなるみたいね。
ダウンジャケットの品質表示に「ホワイトグース」「グレーダック」など表記されていることがあります。
そのような場合、色は参考程度にして、鳥種がグースかダックかを気にした方が良いでしょう。
ダウンの産地も重要
寒く乾燥した地域で飼育された水鳥のダウンの方が保温性が高く、高品質です。
産地でいうと、ポーランドやハンガリーなどです。
ただし、ダウンジャケットの場合は羽毛布団ほど詳しい品質表示がされていません。
実際のところ、産地を公開している一部の製品を除いて、水鳥の産地を知ることは困難です。
フィルパワーとは?
フィルパワーとは、羽毛1オンス(28.4g)のダウンをシリンダーに入れ、一定荷重をかけた時のふくらみ度合い表す単位のことです。
ダウンを手で押した時の復元率ですね。
500以下: 低品質ダウン
600~700: 良質ダウン
700以上: 高品質ダウン
フィルパワーが大きいほど、少ない量のダウンでもかさ高くなり、軽量なダウンジャケットを作ることができます。
注意点としては、フェザーの割合が多い場合も復元性が増します。ダウンジャケットを手で押した感覚だけで良し悪しを判断できるものではないということを覚えておきましょう。
ダウンジャケットを購入する時にチェックするポイント
ダウンとフェザーの違いや、ダウンの暖かさを判断する基準をお伝えしてきました。
ここでは、ダウンジャケットをお店などで購入する際の2つのポイントをお伝えします。
タウンユースかアウトドアか
ダウンジャケットの中には、登山やトレッキングなど、アウトドア用の高性能なものもあります。
最高ランクのフィルパワー、撥水性、耐久性などの機能はアウトドアには必要かもしれませんが、日常生活ではそこまでの機能性は必要がないことも多いでしょう。
ご自身が暑がりなのか寒がりなのか、また、機能を取るかデザインを取るか、必要条件を考えてダウンジャケット購入すると良いでしょう。
結局は着用した時の体感が大事
高品質なダウンの見分け方についてお伝えしてきましたが、大事なポイントをお伝えします。
結局のところ、最後は試着してみた時の感覚が大事です。
ダウンの質や暖かさは、同じブランドでも年によって違ったり、品番が異なると違ってくるというのが管理人の肌感覚。
高級ブランドを除き、値段の高い方が必ず暖かいというわけでもありません。
実際、管理人が所有しているダウンコートを比較すると・・・
少し安くてダウンが薄めのあるブランドの方が、それより値段が高くてダウンがぶ厚めのブランドよりも暖かいのです。
暖かさの質も違い、良い方はたとえ入っているダウンが少し薄くても、じわ~っと暖かくなってきます。
これがすなわち使用されている水鳥の胸毛の質なのでしょうね。
ダウンジャケットの購入時、店内は空調が効いていて暑いかもしれませんが、試着した時に感じることを大事にしてみてください。
まとめ
ダウンとフェザーの違いや、ダウンの暖かさを決める要素についての記事でした。
内容をまとめますね。
ダウン:90%
フェザー:10%
ダウン:水鳥の胸の部分に生えている、綿毛のような柔らかい毛(羽毛)
フェザー:上記以外の、水鳥の羽根の部分
- グース(ガチョウ)、ダック(あひる)、マザーグースなどの鳥種
- 水鳥の産地(寒冷の国・地域であるほど良い)
- フィルパワー(ダウンの復元率が高いほど良い)
ぜひダウンジャケットを選ぶ際の参考になさってみて下さい。