着なくなったダウンを捨てていませんか?
サイズが合わなくなった、古くなった、破れてしまった、買い替え予定・・・。
近年では、SDGsの観点からダウンのリサイクルが注目を集めています。
捨てる予定だったダウンも、リサイクルに出すことで新しい製品としてよみがえり、資源の無駄を省くことができます。
でも、ダウンのリサイクルってどこに出せばいいの?
まだ十分に認知されてはいませんが、ダウンを回収してくれる組織や賛同企業もそれなりに多く存在しています。
この記事では、
- 「SDGs」について
- ダウンの非人道的な採取の実態
- ダウンのリサイクルに参加する方法3つ
をご紹介していきます。
ダウンはリサイクルできる貴重な天然資源ですので、捨てるのはもったいないです。
ダウン製品をお持ちの方は、是非この記事を参考にしてみてください。
そもそもSDGsって何?
最近よく耳にする「SDGs」という言葉。
「言葉は聞いたことがある」
「何となく良い取り組みらしいのはわかるけど、詳しくは知らない」
という方も多いのではないでしょうか。
何だか抽象的なイメージで、よくわからない。
そんな方のために、調べてみました。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。
読み方は「エス・ディー・ジーズ」です。
サステナブル(Sustainable)って言葉が入ってる!
「持続可能な」という意味ね。
SDGsは2015年9月の国連サミットで全会一致で採択されたもので、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年までを年限とする17の国際目標のことです。
外務省のホームページには以下のように記載されています。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
外務省「JAPAN SDGs Action Platform」より
17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
SDGsは貧困や飢餓、教育、ジェンダー、エネルギーなど、非常に広範囲で包括的な内容となっています。
〈参考:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組〉
SDGsの17に及ぶ目標の中には、生産や消費、また地球の生態系の保護に関するものが含まれています。
12 つくる責任 つかう責任:持続可能な消費と生産のパターンを確保する
14 海の豊かさを守ろう:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15 陸の豊かさも守ろう:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
資源を使いすぎることなく、地球環境を壊さずに豊かな環境を持続させていくための取り組み、
つまり、ダウンを捨てずにリサイクルすることも、SDGsの主旨に沿っているというわけですね。
ダウンの希少性と非人道的な採取の実態
SDGsの概要をなんとなく理解したところで、この記事の本題であるダウンのことについて触れていきたいと思います。
ダウンは希少な天然資源
「ダウン」というと「ダウンジャケット」のように衣類を思い浮かべますが、もともとは水鳥の胸の毛のことを指します。
寒さから身を守るために水鳥だけが有しているもので、1羽の水鳥から採取できるダウンはわずか10~20g。とても希少な素材なのです。
ダウンの暖かさの秘密は、タンポポの綿毛のようにふわっと軽くて空気をよく含むダウンボールにあります。
ダウンボールは冷たい空気を遮断し、内側では暖かい空気を保つ働きをするため、水鳥を寒さから保護してくれるのです。
ダウンにはグース(ガチョウ)ダウンとダック(あひる)ダウンがあり、グースダウンの方が高級とされています。
私たちが着るダウンジャケットにも、これらの水鳥から採取されたダウン(羽毛)が使用されているのです。
非人道的に採取されていることも
ところで、水鳥の胸の部分のわずかな毛をどのように採取しているのか、少し気になりますよね。
通常は食用として屠殺された水鳥から、ダウンを採取するのが一般的な方法です。
しかし、生きている水鳥から直接人の手で毛をむしり取る方が効率が良いという理由で、そのような採取方法を行っている生産者もいるそうです。
1羽から平均6~8回採取できるためで、羽毛をむしり取られた水鳥は、寒さに耐えきれずに死んでしまうこともあるそうです。
えー・・・知らなかった。
今までなにげなく着ていたダウンだったけれど、知ったからには気軽に捨てられなくなったわね・・・。
残念ながら、このような非人道的な採取方法により製造されたダウン製品が、少なからず世の中に出回っているというのが現状のようです。
北欧や欧米諸国では、動物愛護の観点から非人道的なダウンの採取方法を問題視しています。
ダウンの有名ブランド「モンクレール」「カナダグース」「パタゴニア」では、透明性のある生産工程を定め、さまざまな対策を行っています。
ダウンのリサイクルに参加する方法3つ
ダウンの生産実態を知り、ダウンを簡単に捨ててはいけないという気持ちになって頂ければ嬉しいです。
とはいえ、不要になったダウンをどこに出せば良いのかわからないのでは、リサイクルしようもありませんよね。
私たちが実際に、ダウンのリサイクルに参加できる具体的な方法を3つご紹介します。
ユニクロのダウン回収ボックスを利用する
ユニクロのダウンを買ったことがあるという方は多いのではないでしょうか。
ユニクロでは着なくなったダウンを回収し、ダウンとフェザーの100%リサイクルを推進しています。
もう着なくなったユニクロのダウンが家にあるのなら、捨てるのではなく店舗に設置の回収ボックスへ。この小さな行為で、廃棄されるはずだった素材が社会に循環していきます。
回収ボックスに出すだけで社会貢献ができると思うと、何だかいいことをした気分になれそうですね。
東レとの共同テクノロジーでリサイクルされ、新たなダウンとして生まれ変わります。
参考:ユニクロダウンリサイクル
グリーンダウン プロジェクトに参加する
一般社団法人「グリーンダウン プロジェクト」という団体も、不要になったダウンジャケットや羽毛布団を回収・再利用する取り組みを行っています。
この活動に賛同する企業や団体が窓口となり、各都道府県での回収を行ってくれます。
サイトでは、お住まいの地域を入力するとダウンを回収してくれる商業施設などが一覧で出てきますので、不要なダウン製品があれば是非出してみてください。
リサイクルに出せるダウン製品の種類は以下のものです。
- マフラー
- シュラフ
- ダウンジャケット
- クッション
- 寝袋
- 羽毛布団
- ダウン小物
回収に出す条件はダウン率50%以上の羽毛製品であること。穴が空いていたり、多少汚れていても大丈夫なようです。
その他、詳しい内容については「グリーンダウン プロジェクト」のサイトをご確認ください。
リサイクルされた商品を購入する
実をいうと・・・以前私も質の良いダウンをサイズアウトにより捨ててしまったことがあり、そのことを今でも後悔しています。
正直捨てる時は、「このまま捨ててもいいのかな? クッションとかにならないかな?」
と思ったのですが、他に方法も知らず、そのまま捨ててしまいました。
だいぶ前の話なので、もう時効だとは思うのですが・・・。
罪ほろぼしに、「アップサイクル フェザークッション」を購入してみました。
焼却処分される手前の「いらなくなった羽毛ふとん」を洗浄し、再生したのが「アップサイクルフェザー」です。
リサイクルフェザー100%のクッションなのですが、「ダウン」と「フェザー」の違いは同じ水鳥から採れる部位の違いになります。
フェザーはダウンジャケットの中にも必ず一定の割合で入っているもので、ダウンとは切っても切り離せない兄弟のような関係なのです。
フェザーの方が弾力性があるから、クッションに向いているんだよ。
以前に購入したアップサイクルフェザークッション。
撮影用にクッションカバーから出してみたら若干シワになっていましたが、しっかりした質の良いクッションです。
リサイクルでこんなにもしっかりと良い製品が作れるのに、全部捨てていたとしたら・・・
すごくもったいないと思いませんか?
もともとダウンは食肉用として生産された水鳥の副産物だったそうです。
世界中の需要が一気に増えたために無理やり生産しているのが現在の状況のようですが、本来希少価値の高い素材なのです。
リサイクルして大切に使っていきたいですね。
「リサイクルに出すダウンがない!」という方は、リサイクルダウンやリサイクルフェザーの商品を購入することで、賛同の意を表すことができます。
リサイクルされた商品を購入する=その活動を応援している
ということですので、一人ひとりにできることはわずかですが、需要を生み出してお金の流れをつくり、さらにその流れを加速させていくことができます。
興味のある方は、リサイクルダウンやリサイクルフェザーの商品を探してみてください。
ちなみに上記クッションはこちらの商品です↓↓↓
まとめ
SDGsとダウンのリサイクルについてお伝えしました。
今までのような使い捨て文化の時代は終わりつつあり、これからは限りある資源を大切に使っていく時代です。
今お持ちのダウンが不要になった時、単に捨ててしまうのではなく、ぜひリサイクルに出してSDGsに参加してみてくださいね!